時代小説、人情噺。
この方の小説ははじめて読んだのですが、すばらしかったです。
長屋に住む極貧の住民たちが繰り広げる物語なんですが、
とにかくおもしろい。
主役が脇役に、脇役が主役になるみたいに、
作者はいろんな角度から「人」を描いています。
人物描写が素晴らしいんです。
生きる支えを見いだそうと必死で日々を送る懸命な人々。
本当の貧乏を知っているからこそできる、
互いを励ましあい仲間が一人でもその中から這い上がってほしいと念じる強さ。
傷つきながらも前向きな姿。
このような「人の輪」がとってもうらやましくなります。
過去を描いていながら、今を生きる私たちの暮らしと重なってくる感じ。
一方、時代小説の中でしか味わえない人情味と飄逸味が別の世界へ連れていってくれる。
その感じがたまらない★
ぜひ、本屋さんで探してみてください^^