
逢沢りくは14歳。
浮気をするパパと価値観を押し付けてくる神経質なママとの一人娘。
感情を表に出さず、何かに我慢して生きている。
ただ、人前でだけは、蛇口をひねるように、涙を流すことができる。
みんなが「思い」を隠しながらの生活に歯車が狂っていく。
母と娘。夫と妻。
距離を置くことを選び、必然的に偶然的に、
りくは関西の親戚のうちで生活しなければいけなくなる。
その中で繰り広げられる、笑いと涙の暮らし。
関西弁の爽快なタッチで描かれる、本当にひとを救うのは何かということ。
こうだから、ああなる、
とか、
こうすると、そう、
とか、
これは、こう、
とか、
私たちはみんな、気づいたらいろんな価値観を植え付けられてきた。
でも本当はそんなことどうでもよくって、
なにか意味があるようでないような、
本当なのか冗談なのかわからないような、
よくわからない境界線の大切さ。
モノゴとをはっきりさせないような曖昧さは、
やさしさに繋がるのだ。と思う。
人が人である限り(脳みそが発達している限り)
何かを一生懸命考えながら生きてしまうけど、
そんなこと深く考えなくてもよいくらい、
どうでも良いことに、
突っ込んだりボケてみたり、ちょっかいだしたり
冗談言ったりして、なんとなく笑って、いっぱい笑って、
大笑いして、時々泣いて、
元気に生きていたら、
絶対に神様は人間にご褒美をくれる気がする。